検索順位が動いたとき、原因はWeb検索?ローカル検索?―コアアップデートとGBPの影響を切り分ける診断ガイド
検索順位が落ちたのはなぜ?
「また検索順位が下がった…」
Googleは年に数回、検索アルゴリズムの大規模な見直し「コアアップデート」を実施しています。そのたびに多くのWebサイト運営者がため息をつく光景が繰り返されていますよね。そして店舗を経営されている方からは、こんな声もよく聞きます。
「うちは地域密着の小さな店だから、Googleのアルゴリズム変更なんて関係ないでしょ?」
実はこれ、半分は正解で、半分は注意が必要なんです。というのも、「検索順位」と一口に言っても、自社サイトが表示されるWeb検索(自然検索)の順位と、Googleビジネスプロフィール(GBP、旧Googleマイビジネス)が表示されるローカル検索(マップ・ローカルパック)の順位は、Googleの公式説明でも別の仕組みとして整理されているからです。コアアップデートが直接対象にしているのはWeb検索の結果であり、ローカル検索の順位は「関連性・距離・知名度」という別の基準で決まります。
ところが現場では、この2つが混ざったまま「コアアップデートのせいでお店の順位が落ちた」「投稿を増やせばアップデート対策になる」と考えてしまい、本当の原因にたどり着けないケースが少なくありません。
そこで今回は、検索順位が動いたときに「原因はWeb検索側か?ローカル検索側か?」を切り分けて診断する手順を、Search Console(自然検索)とGBPのパフォーマンス(ローカル検索)という2つの計測ツールを軸に解説します。順位が動くたびに慌てないための「診断ガイド」としてお使いください。
※本記事は2026年8月19日時点の公式情報(Google検索セントラル「Googleのコアアップデート」、Googleビジネスプロフィール ヘルプ「Googleのローカル検索結果の掲載順位を改善する」等)をもとに内容を見直しています。仕様は変更されることがあるため、最新情報は記事末尾の参考リンクもあわせてご確認ください。なお、2025年3月に実施されたコアアップデートの内容そのものについては、履歴記事「2025年3月Googleコアアップデート解説」で扱っています。本記事は、アップデートの時期を問わず使える「切り分け診断」に役割を絞っています。
1. Googleコアアップデートとは何か?
Googleコアアップデートとは、Googleが検索結果の品質向上を目的として、年に数回実施する検索アルゴリズムとシステムに対する大幅かつ広範な変更のことです。Google検索セントラルの公式ドキュメントでは、コアアップデートについておおむね次のように説明されています。
- 特定のページやサイトを狙ったものではなく、「ユーザーにとって有用で信頼できるコンテンツ」を全体的に評価し直すための変更である
- アップデート後に順位が下がったページに、何か修正すべき問題があるとは限らない(相対的に他のコンテンツの評価が上がった結果、という場合もある)
- コンテンツを改善しても、効果が表れるまで時間がかかることがあり、次のコアアップデートまで大きな変化が見られない場合もある
- コアアップデートの実施状況は、Googleの「Search Status Dashboard」で公開されている
ここで押さえておきたいのは、コアアップデートが評価の対象にしているのは、Web検索に表示される「Webページ」だということです。自社サイトやブログ記事は対象ですが、GBPの投稿や口コミへの返信が、コアアップデートによって直接「採点」されると公式に説明されているわけではありません。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の正しい位置づけ
コアアップデートの話題でよく登場するのが「E-E-A-T」です。
- Experience(経験):実際の体験に基づいた情報か
- Expertise(専門性):その分野の専門知識に裏付けられているか
- Authoritativeness(権威性):その分野で認知・参照されている発信者か
- Trustworthiness(信頼性):情報源として信頼できるか(4つの中で最も重視される要素)
E-E-A-Tは、Googleが検索品質評価者向けのガイドラインで用いている「人にとって有用なコンテンツかどうか」を考えるための観点です。Googleは、E-E-A-Tそのものを直接のランキング要因として使っているわけではなく、さまざまなシグナルを組み合わせて「人にとって有用か」を判断していると説明しています。つまりE-E-A-Tは、順位を上げるためのテクニックではなく、自社サイトのコンテンツを「読者のために作れているか」を自己点検する物差しとして使うのが正しい位置づけです。
地域のカフェや飲食店、美容院、クリニックなどのローカルビジネスにとっても、自社サイトの記事がこの観点で見直す価値があることは変わりません。ただし、これはあくまで「Web検索側」の話である、という線引きを忘れないようにしましょう。
2. ローカル検索(GBP)の順位は何で決まる?
一方、Googleマップや検索結果の「ローカルパック」(地図と一緒に表示される数件のビジネス情報)での表示順位は、Googleビジネスプロフィール ヘルプで次の3つの要素を基本に決まると説明されています。
| 要素 | 意味 | お店側でできること |
|---|---|---|
| 関連性 | 検索語句とビジネス情報がどれだけ一致しているか | カテゴリ・サービス・商品・説明文などを正確かつ詳しく登録する |
| 距離 | 検索語句に含まれる地域、または検索者の現在地からの距離 | お店側で変えられない(住所・サービス提供地域を正しく設定することのみ) |
| 知名度 | そのビジネスがどれだけ広く知られているか。Web上の情報(リンク、記事、ディレクトリなど)や、Googleの口コミ数・評価も影響する | 自社サイトの整備、第三者サイトでの正しい掲載、口コミを自然に集める |
公式ヘルプには「ローカル検索の掲載順位を上げるためにGoogleに料金を支払うことはできない」とも明記されています。また知名度の説明の中では、「Web検索結果での掲載順位も考慮されるため、SEOのベストプラクティスが役立つ」という趣旨の記述があります。
ここが、Web検索とローカル検索の「唯一の公式な接点」と言える部分です。つまり、自社サイトのWeb検索での評価が動けば、「知名度」を通じてローカル検索にも間接的に関わる可能性はあります。ただし、それは「コアアップデートがGBPの投稿や口コミ返信を評価する」という意味ではありません。この違いを押さえておくだけで、順位が動いたときの見方がかなり変わってきます。
3. 診断の第一歩:「どこの順位」が動いたのかを切り分ける
では、実際に「順位が落ちた気がする」と感じたとき、何から確認すればよいのでしょうか。結論から言うと、Web検索はSearch Console、ローカル検索はGBPの「パフォーマンス」で、別々に数字を見ることです。感覚や目視の検索結果だけで判断すると、検索した場所(距離)やパーソナライズの影響で、実態と違う結論を出してしまいがちです。
| 見る場所 | 何の順位・数字か | 主に関係する仕組み |
|---|---|---|
| Search Console(検索パフォーマンス) | 自社サイトのWeb検索での表示回数・クリック数・平均掲載順位 | コアアップデートを含むWeb検索のアルゴリズム |
| GBPのパフォーマンス | プロフィールの表示回数(検索・マップ)、検索に使われたキーワード、通話・ルート検索・Webサイトクリック数 | ローカル検索(関連性・距離・知名度) |
3-1. Web検索(自然検索)の診断:Search Consoleで確認すること
- 期間を比較する:「検索パフォーマンス」で、順位が動いたと感じる前後の期間を比較表示します(例:直近28日と、その前の28日)。
- アップデートの日付と照合する:Search Status Dashboardで公開されているコアアップデートの開始日・完了日と、変動のタイミングが重なっているかを確認します。重なっていなければ、別の要因(サイトの改修、季節要因、競合の動きなど)を疑います。
- サイト全体か、特定ページかを見る:「ページ」や「検索キーワード」のタブで、下がったのがサイト全体なのか、一部の記事なのかを切り分けます。コアアップデートはサイト全体の評価に関わることが多いため、特定の1ページだけが大きく動いた場合は、そのページ固有の要因の可能性もあります。
- 「ウェブ」以外を混ぜない:検索タイプを「ウェブ」にして確認します。画像・動画の数字と混ざると、原因が見えにくくなります。
3-2. ローカル検索(GBP)の診断:パフォーマンスで確認すること
- 表示回数の推移を見る:GBPの管理画面「パフォーマンス」で、Google検索・Googleマップそれぞれの表示回数(プロフィールを閲覧したユーザー数)が、いつから減ったのかを確認します。
- 検索に使われたキーワードを見る:店名での指名検索が減ったのか、「地域名+業種」のような一般的な検索で表示されなくなったのかで、原因の見立てが変わります。指名検索の減少は認知(広告・SNS・チラシなど)の問題、一般検索の減少は関連性・知名度・競合状況の問題である可能性があります。
- アクション数を見る:通話・ルート検索・Webサイトクリックの変化も、表示回数とセットで確認しましょう。表示は減っていないのにアクションが減っている場合は、順位ではなく「プロフィールの内容(写真・営業時間・口コミなど)」が来店判断を後押しできていない可能性があります。
- プロフィール側の変化を振り返る:直近でカテゴリや住所、ビジネス名を変更していないか、オーナー確認の状態に変化がないか、営業時間が正しく反映されているか、近隣に同業の新規出店がなかったか。これらはコアアップデートとは無関係に、ローカル検索の表示に影響する典型的な要因です。
3-3. 診断結果の読み方(早見表)
| Search Console | GBPパフォーマンス | 見立ての例 |
|---|---|---|
| 下がった | 変化なし | Web検索側の問題。コアアップデートの時期と重なるなら、サイトのコンテンツ全体を見直す(ステップ4へ) |
| 変化なし | 下がった | ローカル検索側の問題。関連性・知名度・プロフィール設定・競合状況を確認する(ステップ5へ)。コアアップデートのせいと決めつけない |
| 下がった | 下がった | 両方を個別に確認。自社サイトの評価変動が「知名度」を通じて間接的に関わった可能性もあるが、まずはそれぞれの要因を一つずつ潰す |
| 変化なし | 変化なし | 目視の検索結果で感じた変動は、検索場所やパーソナライズによる見え方の違いの可能性。数字で継続観測する |
あくまで見立ての「一例」ですが、この表に当てはめるだけでも、「何となくアップデートのせい」という思い込みからはかなり抜け出せるはずです。
4. Web検索側で下がっていた場合の対策
Search Consoleの数字がコアアップデートの時期に合わせて下がっていた場合、Googleが公式に勧めているのは、小手先の修正ではなく「人にとって有用で信頼できるコンテンツか」を自己評価し、サイト全体を見直すことです。Google検索セントラルの「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」では、次のような自己評価の質問が示されています(一部を要約)。
- 独自の情報、レポート、調査、分析を提供しているか。他のサイトの内容を単にまとめ直しただけになっていないか
- そのテーマについて、実体験や深い知識に基づいて書かれていることが伝わるか(例:実際に商品やサービスを扱った経験)
- 著者や運営者の情報が分かり、信頼できる情報源として確認できるか
- 検索エンジンのためだけに作った内容(検索されそうな話題を手当たり次第に書く、文字数だけ増やす等)になっていないか
- 読んだ人が「知りたいことが十分に分かった」と感じられるか
ローカルビジネスのサイトであれば、「地域のお客様が実際に知りたいこと」を、自分たちの経験に基づいて書けているかが出発点になります。たとえば歯科医院なら、一般論の治療解説だけでなく、院長の考え方、設備、通院の流れ、地域の健康イベントへの参加といった「その医院ならでは」の情報が、この観点に沿ったコンテンツと言えます。
なお、改善の効果が出るまでには時間がかかることがあり、次のコアアップデートまで大きな変化が見られないこともあると公式に説明されています。焦って記事を削除したり、大幅にリライトを繰り返したりするより、計測を続けながら腰を据えて取り組む方が結果的に近道です。
5. ローカル検索側で下がっていた場合の対策
GBPのパフォーマンスが下がっていた場合は、「関連性・距離・知名度」の3要素に沿って、お店側で動かせる部分を点検します。
関連性:ビジネス情報を「正確に・詳しく・完全に」
- メインカテゴリと追加カテゴリが、実際の業態と合っているか
- サービス・商品・メニュー、ビジネスの説明文が、お客様の検索語句で使われる言葉で登録されているか
- 営業時間(特別営業時間を含む)、電話番号、WebサイトURLが最新か
距離:変えられない要素は「正しく設定する」に徹する
距離そのものはお店側でコントロールできません。住所の表記や地図上のピンの位置が正しいか、出張型のビジネスであればサービス提供地域が実態に合っているか、という点だけ確認しましょう。「少し離れた地域で表示されなくなった」という変動は、距離要素の性質上、起こり得ることです。
知名度:Web上の情報の一貫性と、自然な口コミ
- サイテーション(引用情報)の整理:他のWebサイトやディレクトリサイトに掲載されている店名・住所・電話番号が、GBPや自社サイトと一致しているかを確認し、古い情報は修正依頼をする
- 自社サイトの整備:公式ヘルプのとおり、Web検索での評価も知名度に関わるため、ステップ4の内容は結果的にローカル検索にもつながる
- 口コミは自然に集める:来店されたお客様に中立的にお願いするのは問題ありませんが、特典と引き換えに口コミを依頼したり、良い評価をしてくれそうな人だけに依頼したりすることは、Googleのポリシーに反するうえ、ステマ規制(景品表示法)の観点でも避けるべき行為です
投稿・写真・口コミ返信は「順位対策」ではなく「お客様向けの情報整備」
元々この記事では、GBPの投稿や写真、口コミ返信を「E-E-A-Tに強いGBPの作り方」として紹介していました。ただ、これらがコアアップデートやローカル順位の評価項目であると公式に説明されているわけではありません。そこで今回は位置づけを改め、「検索で見つけてくれたお客様が、来店を判断するための情報を整える施策」として整理し直します。順位の保証はできませんが、表示回数に対するアクション(通話・ルート検索・予約)の割合を高めるうえで、実務上とても重要な取り組みです。
- 経験を伝える:実際のサービス提供風景、スタッフの作業風景、(許可を得た)お客様のビフォーアフター写真を定期的に追加する
- 専門性を示す:資格・認定、業界団体への加盟、取り扱い技術や設備の情報をプロフィールと投稿に明記する
- 地域とのつながりを見せる:地域イベントへの参加、近隣施設との取り組みなどを投稿する(専門性と地域性のバランスが、「この地域で信頼できる専門家」という印象につながります)
- 信頼を積み重ねる:良い口コミにも厳しい口コミにも丁寧に返信する、営業情報を常に正確に保つ、料金の目安を分かりやすく示す
- Webサイトと連携する:ブログ記事とGBP投稿を連動させる、お客様の声を両方で活用する、GBPとサイトの情報を一致させる。Googleに対しても、お客様に対しても「一貫性のある情報源」であることが伝わります
忙しい現場で無理なく続けるコツは「週1投稿で回すGBP運用ルーティン」の記事で、口コミ依頼の注意点は「インセンティブNG時代のGoogle口コミとの向き合い方」で詳しく解説しています。MEOの基本から確認したい方は「地域密着型ビジネスのためのMEO対策入門」もあわせてご覧ください。
6. 次に順位が動いたとき慌てないための「日常の備え」
切り分け診断は、平常時の数字が手元にあって初めて機能します。次の4点を習慣にしておくと、変動が起きたときの判断がぐっと早くなります。
- 月1回、数字を記録する:Search Consoleの表示回数・クリック数・平均掲載順位と、GBPパフォーマンスの表示回数・主要キーワード・アクション数を、同じ日に記録しておく(スクリーンショットでも十分です)
- アップデート情報を確認する:変動を感じたら、まずSearch Status Dashboardでコアアップデートが実施中・完了直後かを確認する
- GBPの変更履歴をメモする:カテゴリ・営業時間・住所などを変更した日付を控えておくと、ローカル側の変動原因を追いやすくなります
- 自社サイトとGBPの情報を定期点検する:店名・住所・電話番号・営業時間の不一致は、Web検索・ローカル検索のどちらにとってもマイナスになり得ます
まとめ
Googleの検索アルゴリズムは今後も「有用性」と「信頼」を軸に進化し続けるでしょう。ただ、その変化に振り回されないために大切なのは、アップデートのたびに新しいテクニックを探すことではなく、「どこの順位が、なぜ動いたのか」を数字で切り分けられる体制を持つことです。
- コアアップデートが直接対象とするのはWeb検索(自社サイト)。診断はSearch Consoleで
- ローカル検索(GBP)の順位は「関連性・距離・知名度」が基本。診断はGBPのパフォーマンスで
- 2つは別の仕組みだが、知名度の要素としてWeb検索での評価が考慮される「間接的な接点」はある
- 投稿・写真・口コミ返信は順位対策ではなく、お客様の来店判断を支える情報整備として続ける
- 平常時から月1回、両方の数字を記録しておく
単なる「順位対策」ではなく、自社サイトでもGBPでも「お客様にとって役立つ情報を、正確に、一貫して届ける」ことに重点を置く。これが、どのアップデートが来ても揺らぎにくい、地域集客の土台になります。
参考(公式情報・2026年8月19日確認)
- Google検索セントラル:Googleのコアアップデートとウェブサイト
- Google検索セントラル:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
- Googleビジネスプロフィール ヘルプ:Googleのローカル検索結果の掲載順位を改善する方法
- Google Search Status Dashboard(コアアップデートの実施状況)
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